悩みはパット、アイアンショットで占める部分が多かったようだ。初日、2日目で替えることもあったパターを従来のエースに統一。グリーンには乗っても、チャンスにつかないアイアンショットの調子が上向いた。この日の17番は150ydの第2打を「アゲンストで、8番アイアンをソフトに」とイメージ通りに80cmへ。沈めたチャンスは長くても6mと思うようにスコアを伸ばした。“日本一曲げない男”から“日本一曲げない人”へでは、ドライバーはどうなのか? 不調の中でもフェアウェイキープ率は78%前後だった。稲森が近年掲げる数字は男子で前人未到の「80%」。昨年は79.269%で女子1位の山下美夢有の79.084%を抑えた。「稲森さんなら、80%目指さないと」とメディアに振られると「80%行かないと、女子に勝てないじゃないですか!」とニヤリ。現在の女子1位は酒井美紀の83.0612%。“日本一曲げない男”から“日本一曲げない人”へ。進化を続ける29歳が優勝争いに帰ってきた。