(AIG)一、全英女子オープン、渋野日向子、美しい敗北
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AIG女子オープン(全英女子オープン)最終日。72ホールを終えて1打足りずにプレーオフに残れなかった渋野日向子が、テレビのインタビューのさなか、「完全にこなせなかった」と反省していた。微笑する瞳が涙でうるみ、思わず泣きだしそうだった。
それを見た瞬間、「あっ、美しい敗北の涙だ」と私は感鳴し、思わずメモをとっていた。
ギャラリーの声援が耳に入ると、ボギーのあとでもぱっと振り向いて笑いかける姿は、これまで私が知る限りでは男子選手のアーノルド・パーマー以来である。なかなか出来るものはでない。心の中は腐り、「ようし、倍返しだ」と立ち直そうとする刹那の声援である。一般には無表情で受け止めて頷くのが精一杯の反抗だが、彼女は声主に振り向き白い歯を見せて応えていた。笑顔の中の強気な姿勢が彼女の持ち味だ。
最も感動したのは、スコアが伸びなかったにもかかわらず、終了後、ロープサイドでサインを求める40人ほどの子供たち一人ひとりのキャップや手帳にサインをし、サンキューと笑いながら返したり、スマホでの写真撮影に応じたりしていたことだ。もれなく全員にサインをすると、そのまま練習場に入り、打ち込みをしていた。
Video: https://youtu.be/1JQ6LqExj3s