福岡市出身の女子ゴルファー、識西諭里(おにしゆり)選手が今年、ヨーロッパツアーに挑戦します。日本のプロテストには合格していませんが、「全米女子オープン」に出場し注目されました。
◆正確なショットが得意
福岡市在住の識西諭里(おにしゆり)選手。先月、スペインで行われたヨーロッパ女子ゴルフツアーの最終予選会で上位に入り、今年行われるほぼ全ての試合に出場できる権利を勝ち取りました。身長166センチ、ドライバーの飛距離は約250ヤード。短いクラブでの正確なショットを得意としています。
◆「全米女子オープン」で脚光
ゴルフを始めたのは小学3年の時。学生時代は全国的な実績はありませんが、プロゴルファーを夢見て腕を磨いてきました。去年6月、世界四大大会の一つ「全米女子オープン」に出場したことで名を広めます。
識西諭里選手「出られたことはすごい自信になりましたし、自分に足りないものだとかを目の当たりにして、アメリカのQT(クオリファイングトーナメント)に挑戦しようと思えたので、すごい経験になりました」
◆去年“海外ツアー挑戦”を決意
実は識西選手、日本のプロテストに合格していないため、国内ツアーで戦うことができません。実戦の経験不足を補うため、去年、海外ツアーへの挑戦を決意しました。世界最高峰「アメリカツアー」の予選会に参加すると、最終ステージまで進み下部ツアーの出場資格を獲得。その足でスペインへ行き、ヨーロッパツアーの出場権を手にしました。
◆「ヨーロッパツアーで良いニュースを」
この日、普段お世話になっているゴルフ場に帰国後初めて顔を出しました。
識西諭里選手「ヨーロッパツアーで良いニュースを届けられるように頑張ります」
女子選手のヨーロッパツアー参戦は、あまり例のないチャレンジ。プロテストに通っていない識西選手が活躍することで、女子ゴルファーの新たな道になるかもしれません。
識西諭里選手「プロゴルファーとしてできることをうれしく思うし、お金を稼いでこそプロゴルファーだと思うので、自分がこういう形もありますよっていうのを表現できたら良いなと思います」
◆ビザ取得から予防接種まで自分自身で
ヨーロッパツアーは今年31試合が予定され、賞金総額は約49億円、日本ツアーと同じくらいの規模です。ただ、ヨーロッパとはいっても、初戦はケニア、2戦目はモロッコとアフリカ大陸に始まり、中東や東南アジア、アメリカなど21の国・地域で試合があり、世界中を飛び回るツアーです。
移動するだけでも大変ですが、就労ビザ・予防接種など準備することが山積み。手配は全て識西選手自身が行っています。ツアー開幕は来月2日。現地とは、なんとか英語でやりとりして準備を進めています。
識西諭里選手「頑張って聞いて『すみません、後からメールで送って下さい』って言って…それで帰って翻訳する。全部英語なので、本当に英語はマストですね。友達つくるってなったらジョークとか言いたいじゃないですか、そのレベルには全然達してないですね」
◆故郷の神社で必勝祈願
年が明け、筥崎宮へ必勝祈願にやってきました。勝負の年、おみくじの結果は・・・
識西諭里選手「大吉です」
結果の通り、縁起の良い一年となるか。2023年の飛躍を誓います。
識西諭里選手「優勝するために、具体的な準備をこれからもしないといけない。年間通して試合に出ることがなかったので、自分にとって良い経験になると思うので、今後のゴルフ人生につながる良い一年にしたい」